【石川県の方言を徹底解説】石川県ならではの語尾や特徴を例文付きで紹介!

方言

石川県独自の魅力を方言の観点からご紹介します!

石川県といえば、2015年に放送されたNHK朝ドラ「まれ」で知られています。このドラマは石川県輪島市が舞台となっており、主演の土屋太鳳さんや漆器職人を演じた山崎賢人さんが劇中で石川県の方言を使用していました。

また、現在ドラマやCMで活躍している女優の浜辺美波さんも石川県出身です。

石川県の方言は、標準語と関西弁が入り混じった独特な言葉遣いが特徴です。その中でも特に印象的なのが、語尾をやわらかく引き伸ばす表現です。

たとえば、「ありがとうね」にあたる「あんやとね」は、「あんやとぉねぇ」のように語尾が伸びて柔らかな響きになります。

この記事では、石川県の方言の魅力や特徴についてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • よく使われる石川県の方言とその意味、使い方
  • 石川県方言特有の語尾表現
  • 50音順に整理された方言一覧で、気になる単語をすぐにチェック可能!

石川県の方言:あ行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
あいそむない 退屈だ
あんやと ありがとう
いじっかしー 煩わしい・騒々しい
おいでます 来られる・いらっしゃる
おらっちゃ 私・私たち

あいそむない

石川県で「退屈だ」を表す言葉。「あいそ(愛想)」から派生して、「愛想がない=退屈」となった表現です。
また、「あいそらしー」となると「可愛らしい」という意味に変わります。同じ意味を持つ言葉に「いちゃけな」もあります。
石川県の方言には、同じ意味でも異なる表現が多いのが特徴です。

例文
そんな「あいそむない」顔してたら、誰も誘ってくれなくなるよ。
(そんな退屈そうな顔してたら、誰も誘ってくれなくなるよ。)

あんやと

「ありがとう」を意味する言葉です。
丁寧に言う場合、「あんやと存じみす」と表現することもあります。

例文
ご配慮いただきまして、あんやと存じみす。
(ご配慮いただきまして、ありがとうございます。)

いじっかしー

「煩わしい」や「うるさい」を意味する表現です。同じ意味で「いじくらしい」と言うこともあります。

例文
湿気が多くてじめじめして、あーいじっかしい。
(湿気が多くてじめじめして、あー煩わしい。)

おいでます

「いらっしゃる」の意味で使われる丁寧な表現です。
お店では「おいだすばせ」、別れの挨拶では「いらしておいであそばせ」とバリエーションも豊富です。

例文
有名な俳優さんが石川においでます。
(有名な俳優さんが石川にいらっしゃる。)

おらっちゃ

「私」や「私たち」を表す可愛らしい表現。地元の温かみを感じさせます。
一説には、有名なアニメキャラクターの出身地を連想させるとも言われています。

例文
おらっちゃと一緒に美術館に行かない?
(私たちと一緒に美術館に行きませんか?)

石川県の方言:か行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
かたい 聞き分けが良い
がっぱんなる 一生懸命になる
かやる 倒れる・転ぶ
こーか(校下) 学区
こけ きのこの総称

かたい

「聞き分けが良い」という意味を持つ表現で、特に子どもを褒める際に使われます。「頑固」という意味ではなく、素直で良い子を指すポジティブな言葉なので、誤解しないよう注意が必要です。

例文
聞き分けの良い子に育てるのって難しいよね。
(かたい子に育てるのって難しいよね。)

がっぱんなる

「一生懸命になる」を意味する言葉です。「がんばる」が変化したものと考えられます。

例文
全力で走ったから、徒競走で1位を取れたよ。
(がっぱんなって走ったから、徒競走で1位になったげん。)

かやる

「転ぶ」「倒れる」を表現する方言で、大きな地震や重い家具が倒れる様子などに使われます。また、石川県では「傾く」を「かたがる」と表現するため、「かたがってかやる」という表現もあります。

例文
あの地震でタンスが倒れるなんてすごい揺れだったね。
(たんすがかやるくらいの大きい地震やったね。)

こーか(校下)

小学校や中学校の「学区」を指す方言で、漢字では「校下」と書きます。この表現は地元では方言だと認識されていないことも多いようです。ちなみに、歌詞の「1番、2番」を「1題目、2題目」と呼ぶのも石川県ならではの特徴です。

例文
君はどこの学区からこの学校に進学したの?
(君はどこの校下からこの高校に来たが?)

こけ

石川県では「苔」ではなく「きのこ」を指す言葉です。特に「きのこ狩り」のことを「こけ狩り」や「こけ採り」と呼ぶなど、日常的に使われています。

例文
秋にはみんなでキノコ狩りに行こうよ。
(秋になったらみんなでコケ狩りに行こまいか。)

石川県の方言:さ行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
じゃまない 問題ない・大丈夫だ
しょむない 味が薄い
そくさいな 元気な

じゃまない

「問題ない」「大丈夫」という意味を持つ言葉です。一見すると「じゃま」という否定的なニュアンスに見えますが、ポジティブな意味合いで使われます。

例文
暑いけど、水筒を2本持ってきたから心配ないよ。
(がんこ暑いけど水筒2本も持ってきたさかい、じゃまないわいね。)

しょむない

「味が薄い」という意味で使われる表現です。「しょっぱくない」と響きが似ており、覚えやすいのが特徴です。

例文
今日の給食の味噌汁、ちょっと薄味だったよね。
(今日の給食の味噌汁、しょむなかったげん。)

そくさいな

「元気な」を指す方言です。日常会話で気軽に使える表現で、標準語の「息災」と同じ由来を感じさせます。

例文
久しぶりだけど、元気にしてた?
(しばらく会わなんだけど、そくさいにしとったかいね?)

石川県の方言:た行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
だちゃかん だめだ
たっだ とても
だやい 疲労や病気で体がつらい
だら 馬鹿

だちゃかん

「だめだ」や「うまくいかない」という意味を持つ方言です。一見かわいらしい響きですが、否定的な意味なので使う場面には注意が必要です。また、「だっちゃかん」や「らっちゃかん」といったバリエーションもあります。

例文
あんなに勉強したのに、全然ダメだったよ。
(あんなにテスト勉強したのに、なんでなーもだちゃかんがやぞ。)

たっだ

「とても」「非常に」を表す方言です。同じ意味で「まんで」や「がんこ」も使われますが、「がんこ」は最も強調したい場合に使われることが多いです。

例文
7月でもこんなに暑いのに、8月はどうなっちゃうんだろう。
(7月でもだった暑いのに、8月になったらどうなってしまうがやろ。)

だやい

「体がつらい」や「疲れた」という状態を指します。「ちきない」「ちきねー」「はいだるい」「ものい」などの類義語もありますが、微妙なニュアンスの違いがあり、状況に応じて使い分けられます。

例文
朝から体がだるくて、熱中症かもしれない。
(今朝からがんこ体がだやいんやけど、熱中症かもしれん。)

だら

「馬鹿」や「愚か者」という意味で、叱るときや注意を促す場面で使われます。「だらぶち」という言い方で「馬鹿者」を意味することもあります。ドラマや作品の中で登場することも多い、地域性を感じる言葉です。

例文
この馬鹿者め!自分のことを顧みずに他人を助けるなんて!
(この大だら者!自分の身を顧みんと人を助けるやつがあっけ!)

石川県の方言:な行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
なごうなる 横になって休む
なーん いいえ

なごうなる

「横になって体を休める」という意味の方言です。「長くなる」と連想できる表現がユニークで印象的ですね。暑い日などにエアコンの効いた部屋で過ごしたい時や、疲れている時にピッタリの言葉です。また、「だやい(体がつらい・だるい)」と組み合わせて使うこともできます。

例文
毎日暑くて体がだるいから、今日はゴロゴロして過ごしたいな。
(毎日暑すぎてだやいさかい、今日はなごうなりたい。)

なーん

「いいえ」という意味で、否定の返答をする際に使われます。石川県の中でも特にかわいらしい響きが特徴的です。また、能登地方では同じ意味で「べっちゃ」という表現も使われます。

例文
出身は京都ですか?いえいえ、石川県ですよ。
(あんたの出身地は京都やけ?なーん、石川県や。)

石川県の方言:は行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
はつめーな 頭が良い・利口な
ひどい 辛い・苦しい
ほうや そうだ

はつめーな

「頭が良い」「利口な」を意味する方言です。同じく「はかいし」という表現も使われますが、「はかいし」には「要領が良く、活発」というニュアンスも含まれています。「発明ができるくらい賢い」と覚えるとイメージしやすいかもしれません。

例文
あの子は賢いから、東京大学にも行けると思うよ。
(はつめーな子やさかい東京大学にも進学できるて思う。)

ひどい

「辛い」や「苦しい」を意味する方言です。「だやい」と似たような使い方をしますが、「ひどい」の方がより深刻な状態を指すことが多いです。

例文
咳が止まらなくて本当に辛いから、病院に行ってくるね。
(咳が止まらんでがんこひどいさかい、病院に行ってくる。)

ほうや

「そうだ」「その通りだ」といった同意の表現で、相槌や確認の際に使われます。「そうか」は「ほうか」、「そうでしょう」は「ほうやろ」、「それなら」は「ほんなら」に変わるなど、バリエーションも豊富です。

例文
そうだそうだ!思い出したよ!待ち合わせはのとじま水族館だったね。
(ほうやほうや!思い出いた!待ち合わせ場所はどのじま水族館やったね。)

石川県の方言:ま行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
むたむた めちゃくちゃ・ぐちゃぐちゃ
めもらい ものもらい

むたむた

「めちゃくちゃ」「ぐちゃぐちゃ」と散らかった状態を指す表現です。「もたもた」と言い換えることも可能で、「むったむた」と言うと散らかり具合をさらに強調したニュアンスになります。

例文
この部屋、足の踏み場もないくらい散らかってるじゃない!
(何この部屋!足の踏み場もないくらいむたむたでねえ!)

めもらい

「ものもらい」を意味する方言で、目にできる腫れ物や吹き出物を指します。地域によって言い方が異なり、例えば「めいぼ」や「めばちこ」といった言葉も使われますが、どれも「目」に関する言葉が含まれているのが特徴的です。

例文
目に大きな腫れ物ができて、全然開けられないんだよ。
(がんこ大きいめもらいができて、目が開けられんがやよ。)

石川県の方言:や行まとめ

方言単語とその意味

方言 意味
やっきねー やる気がない
ゆきすかし 雪かき

やっきねー

「やる気がない」を意味する方言です。頑張ってほしい場面でやる気がないのは困るものの、「やっきねー」という柔らかな響きには、つい許してしまいそうな印象を受けます。

例文
テストがもうすぐなのに全然やる気がなくて困るよね。
(テスト1週間前なのに、なーもやっきねーさかいやばいわ。)

ゆきすかし

「雪かき」を指す方言です。北陸地方では大雪が珍しくないため、日常的に使われる言葉のひとつです。特に大雪の年には、雪かきを代行するサービスも利用されるほど、欠かせない作業となっています。

例文
雪が積もりすぎてドアが開かなくなる前に雪かきしておきましょう。
(雪がようけ積もってドアが開かんくなる前に、ゆきすかしをしょまっし。)

石川県の方言語尾一覧

方言語尾とその意味

方言語尾 意味
~がいね・~がいや ~よ
~け? ~ですか?
~まっし ~しましょう・~しなさい

~がいね・~がいや

「~よ」を意味する語尾で、相手に対して何かを伝えたり認めさせる意図を持つ言葉です。「ぞいね・ぞいや」「わいね・わいや」も同じ意味で使われますが、それぞれのニュアンスに違いがあります。「がい」は相手に認めさせたい気持ち、「ぞい」は自分が納得する感覚、「わい」は共有したい気持ちが込められています。語尾の「ね」は女性向け、「や」は男性向けです。

例文
君はいつも準備がしっかりしてるから、何をやっても成功するよ。
(君はいつも用意周到やさかい、きっと何をやっても成功するがいや。)

~け?

「~ですか?」という意味で質問するときに使う語尾です。軽いニュアンスの問いかけに適しており、「~が?」や「~がけ?」といったバリエーションも存在します。

例文
今日は兼六園に行くの?
(今日は石川県の兼六園に行くけ?)

~まっし

「~しなさい」「~しましょう」といった意味で使われる語尾です。石川県を象徴する表現のひとつで、強制的な命令というより、丁寧に促すニュアンスが含まれています。「来る」を例にすると、「来まっし」は「来てね」ですが、強い命令の場合は「来いまー」「来いや」となります。

例文
北陸新幹線かがやきに乗って石川県にぜひ来てくださいね。
(北陸新幹線かがやきに乗って、石川県に来まっしね。)

石川県の方言は、同じ意味でも複数の表現があったり、標準語とはまったく異なる独自の言葉が使われていたりして、とても魅力的です。

石川県を訪れる際には、地元ならではの方言を少し覚えて使ってみると、さらに旅が楽しくなるかもしれませんよ。

そうだね、次のお休みにはみんなで石川県に行こうよ!

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