【愛媛県の方言大特集】伊予弁の魅力や「やけん」などの語尾を徹底紹介!

方言

愛媛県の方言をわかりやすくまとめてご紹介します!
愛媛県で親しまれている方言といえば伊予弁。

県内の方言は地域ごとに特徴があり、東予地方では今治弁、中予地方では伊予弁、南予地方では南予方言と、大きく3つのエリアに分かれています。

香川県や広島県の方言に似た表現が見られる一方で、愛媛ならではの独特な言葉も数多く存在します。
例えば、黒板消しを「ラーフル」、模造紙を「とりのこ用紙」、口内炎を「けんびき」と呼ぶなど、他県ではあまり聞き慣れない表現が多いです。

また、カメムシの呼び方ひとつをとっても、「しゃくぜん」「じゃっき」「じゃーこ」など、地域によってさまざまな呼び名があるのも面白いポイントです。

さらに、語尾に「やけん」や「わい」がつくことで、柔らかく可愛らしい印象を与えるのも愛媛の方言の特徴です。

この記事では、愛媛県の方言の使い方や特徴を例文とともに詳しく解説。気になる方言を50音順でチェックできるので、ぜひ楽しんでください!

この記事でわかる内容:

  • よく使われる愛媛の方言とその意味
  • 特徴的な語尾の使い方
  • 50音順の愛媛方言一覧

愛媛県の方言一覧:あ行

愛媛県の方言単語と意味

方言 意味
あらやけ 食器を洗うこと
いいえのことよ どういたしまして
いぶしこぶし 凹凸、でこぼこ
いんでこーわい 帰ります

あらやけ

「食器を洗う」という意味の方言で、「あらいやけ」と呼ばれることもあります。
もともとは「洗い開け」「洗い空け」という表現から派生したと考えられており、洗った食器をザルに移す行動に由来しています。愛媛県内で日常的に使われる言葉です。

例文
食洗機を買うたけん、あらやけする回数が減ったわい。
(食洗機を買ったから、食器を洗う回数が減ったよ。)

いいえのことよ

「どういたしまして」というニュアンスで使われる表現です。
気軽に返事をする際には「いいえの~」と短縮されることもあります。なお、感謝を表す「ありがとう」は「だんだん」と言います。

例文
いつも美味しいごはんを作ってくれてだんだん。いいえのことよ。
(いつも美味しいごはんを作ってくれてありがとう。どういたしまして。)

いぶしこぶし

「でこぼこ」という意味の方言で、表面が平らでなく粒状や凸凹している状態を指します。語感がユニークで、愛媛の独特な表現のひとつです。

例文
ちょっと庭に出ただけなのに、蚊に刺されてふくらはぎがいぶしこぶしになったよ。
(少し庭に出ただけなのに、蚊に刺されてふくらはぎがでこぼこになっちゃったよ。)

いんでこーわい

「帰ります」を意味する方言で、「いてこーわい」(行ってきます)、「かえってこーわい」(またね)などの表現もあります。「いんでくるけん」とすると「帰ろう」というニュアンスに変化します。

例文
今日は体調が優れんけん、早めにいんでこーわい。
(今日は体調が良くないので早めに帰ります。)

愛媛県の方言一覧:か行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
がいな 強い・乱暴な
かく 二人以上で持ち上げて運ぶ
かやす こぼす
かるう 背負う
けつる 蹴る

がいな

「力強い」や「乱暴な」という意味で使われる愛媛の方言です。「わがまま」や「勝手な」というニュアンスも含む場合があります。
さらに、「がいに」という表現に変化すると、「非常に」や「とても」のように強調する意味を持つことも特徴です。

例文
あの子、ほんとがいなねぇ。
(あの子、本当に気が強いね。)

かく

物を持ち上げて運ぶ際に、複数人で行うことを指します。特に、学校で「机をかいて」という表現がよく使われ、地元では日常的な言葉です。祭りのお神輿を担ぐ場面でも使用されます。

例文
その荷物、重たいけん、二人で一緒にかいてくれる?
(その荷物、重たいから、二人で一緒に運んでくれる?)

かやす

「こぼす」や「倒す」という意味を持つ方言で、飲み物や液体をうっかりひっくり返してしまう状況でよく使われます。「裏返す」という表現が語源とされています。

例文
買ったばっかりのジュース、かやしてしもうたよ。
(買ったばかりのジュースをこぼしてしまったよ。)

かるう

「背負う」を意味する愛媛特有の言葉です。ランドセルやリュックを背負う際に使われるほか、「からう」「かろう」とも表現されます。また、人を背負う場合には「おっぽ」と言います。

例文
来月からランドセルかるうて小学校に行くんやね!
(来月からランドセルを背負って小学校に行くんだね!)

けつる

「蹴る」という意味の方言で、「けつ」という音が独特な響きを持っています。さらに、「けつまげる」という形になると、「転ぶ」という別の意味を持つ表現になります。

例文
人をけつるのは絶対あかんで。
(人を蹴るのは絶対にダメだよ。)

愛媛県の方言一覧:さ行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
しゃぐ 押しつぶす・轢く
じゅうるたんぼ ぬかるみ
しゅむ 鼻をかむ

しゃぐ

「押しつぶす」や「轢く」という意味で使われる方言です。特に車が何かを轢く状況を指します。
また、「轢かれる」は「しゃがれる」と表現されます。ただし、この言葉は他県の人には誤解されやすく、注意が必要です。

例文
車にしゃがれんように気をつけて学校へ行くんよ。
(車に轢かれないように気をつけて学校へ行くんだよ。)

じゅうるたんぼ

「ぬかるみ」を表す独特な方言です。「じるたんぼ」と言われることもありますが、いずれも愛媛ならではの表現です。他県の人には意味が分かりにくく、ユニークな方言として知られています。

例文
そんな端っこを歩くけん、じゅうるたんぼに足がはまるんやろ!
(そんな端を歩くから、ぬかるみに足がはまるんだよ!)

しゅむ

「鼻をかむ」という意味で使われる言葉です。中国地方でも似た表現が用いられることがあります。鼻が垂れている子どもに「鼻、しゅーっとして」や「鼻、しゅんだら?」と声をかけることが一般的です。

例文
鼻水が出たら吸い込まずに、ちゃんとしゅむのがええけんね。
(鼻水が出たら吸い込まずに、きちんとかむのがいいよ。)

愛媛県の方言一覧:た行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
たいぎい おっくうだ
だいじない 差支えない
たいたい 魚の幼児語
たごる 咳をする

たいぎい

「めんどうだ」や「だるい」という意味で、やる気が起きないときに使われる表現です。「大儀」という漢字から派生した言葉で、中国地方でもよく耳にします。

例文
毎日暑すぎて、外に出るのがたいぎいけん、家におるわ。
(毎日暑すぎて、外に出るのがめんどうだから、家にいるよ。)

だいじない

「気にしないでいい」「問題ない」といったニュアンスで使われます。「大事がない」という漢字を当てはめると、意味がイメージしやすいですね。

例文
明日、ちょっと早めに来てもだいじないけんね。
(明日、ちょっと早めに来ても問題ないよ。)

たいたい

「魚」を表す幼児語で、子どもにわかりやすく伝える際に使われます。「鯛」が由来ではないかと言われています。愛媛の家庭では親しみを込めて使われる表現です。

例文
今度、港でたいたいが泳いでるとこ見てみようや。
(今度、港で魚が泳いでいるところを見てみよう。)

たごる

「咳をする」という意味で、痰が絡むようなひどい咳を指すことが多いです。軽い咳ではなく、体調が悪いときに使われる言葉です。

例文
咳がひどくて夜も眠れんけん、たごるのがつらいわ。
(咳がひどくて夜も眠れないから、つらいよ。)

愛媛県の方言一覧:な行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
ねき すぐ近く・そば
ねんがける 狙う・目を付ける

ねき

「近く」や「そば」を意味する方言で、「にき」と発音されることもあります。野菜の「ねぎ」と混同しそうですが、全く別の意味です。他県の人には少し分かりにくい表現です。

例文
会社のねきに住んだら、毎日の通勤が楽になるんじゃない?
(会社の近くに住んだら、毎日の通勤が楽になるんじゃない?)

ねんがける

「狙う」や「目を付ける」という意味を持つ方言です。対象によっては良い意味でも悪い意味でも使われることがあります。特に警戒が必要なシーンで使われることが多いです。

例文
あの人にねんがけられたら、どこにも逃げられんけん。
(あの人に目を付けられたら、どこにも逃げられないから。)

愛媛県の方言一覧:は行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
はなのす 鼻の穴
はぶてる ふてくされる
へっちょ 見当違いの方向

はなのす

「鼻の穴」を意味する愛媛特有の言葉で、日常会話でもよく使われます。「穴」を「巣」と表現するのがユニークで、地元ならではの感覚が感じられる方言です。

例文
ピーナッツをはなのすに入れたらいけんよ、危ないけんね!
(ピーナッツを鼻の穴に入れたらダメだよ、危ないからね!)

はぶてる

「ふてくされる」や「拗ねる」といった意味を持ちます。特に不機嫌さを周囲に見せつけるような行動を表します。中国地方でも似た表現が使われることがあります。

例文
注意しただけで、すぐにはぶててしまう子は扱いが難しいわ。
(注意しただけで、すぐにふてくされる子は扱いが難しいよ。)

へっちょ

「見当違いの方向」を指す方言で、「へっち」と短縮されることもあります。語感が可愛らしく、話し言葉に取り入れたくなるユーモアが感じられます。

例文
へっちょに歩いてしもうて、戻る道が分からんのんよ。
(見当違いの方向に歩いてしまって、戻る道が分からないんだよ。)

愛媛県の方言一覧:ま行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
まがられん 触ってはいけない
むつこい 脂っこい・味がしつこい
もんた 帰ってきた

まがられん

「触る」を意味する「まがる」に禁止の意味が加わった言葉で、「触っちゃだめだよ」というニュアンスになります。初めて聞いた人は「曲がる」関連の言葉だと誤解しそうですが、全く異なる意味です。

例文
日焼けで背中がヒリヒリして痛いけん、絶対にまがられんけんね!
(日焼けで背中がヒリヒリして痛いから、絶対に触らないでね!)

むつこい

「脂っこい」や「味が濃すぎる」という意味を表す方言です。愛媛では日常的に使われているため、方言だと気付かない人も多いようです。

例文
最近、むつこい料理が苦手になってきたけん、あっさりしたものが食べたいわ。
(最近、脂っこい料理が苦手になってきたから、あっさりしたものが食べたいよ。)

もんた

「帰る」「戻る」を意味する言葉で、「もどってくる」が変化したものです。「もんたよ」は「帰ったよ」という意味になり、気軽な会話でよく使われます。

例文
今日は忙しいけん、終わったらすぐにもんてくるけんね。
(今日は忙しいから、終わったらすぐに帰ってくるよ。)

愛媛県の方言一覧:や行

愛媛県の方言単語とその意味

方言 意味
やおい やわらかい
やねこい しつこい・気難しい
よもだ いい加減な人・無責任な

やおい

「やわらかい」を表す方言で、物理的な柔らかさだけでなく、優しさや繊細さを表現することもあります。愛媛らしい温かみのある言葉です。

例文
こんなにやおいパンは初めて食べたけん、感動するわい。
(こんなにやわらかいパンは初めて食べたから、感動するよ。)

やねこい

「しつこい」や「ねちっこい」という意味を持つ方言です。性格や行動が粘り強すぎて少し迷惑がられるような状況で使われます。

例文
あんまりやねこいことしてたら、嫌われるけん気をつけんといけんよ。
(あまりにしつこいことをしていると、嫌われるから気をつけないといけないよ。)

よもだ

「いい加減」や「無責任」を指しますが、相手を完全に否定するのではなく、どこか憎めないニュアンスを含むのが特徴です。

例文
あいつ、また適当に済ませるけん、ほんとよもだなあ。
(あいつ、また適当に済ませるから、本当にいい加減だなあ。)

愛媛県の特徴的な語尾一覧

愛媛県の方言語尾とその意味

方言 意味
~わい・~らい ~よ
~けん・~やけん ~だよ・~だ
~ぞなもし ~ではないですか

~わい・~らい

愛媛の会話でよく使われる語尾で、「~よ」という意味を持ちます。他県での「じゃけん」(広島)や「ばい」(福岡)のように親しみを込めた表現として使われます。

例文
今年の夏はがいに暑うなるらい。
(今年の夏はとても暑くなりますよ。)

~けん・~やけん

「~だよ」や「~だから」という意味で、文末や接続詞としても活躍する語尾です。愛媛らしい柔らかい印象を与える表現のひとつです。

例文
このみかんは日本一甘うておいしいけん、ぜひ食べてみて!
(このみかんは日本一甘くておいしいから、ぜひ食べてみて!)

~ぞなもし

愛媛を代表する語尾のひとつで、「~ではないですか」という意味を含む丁寧な表現です。夏目漱石の『坊ちゃん』にも登場することから、全国的にも知られています。愛媛らしさを感じさせるフレーズです。

例文
愛媛によう来たぞなもし。ここでのんびり過ごしてくださりませ。
(愛媛によく来てくれましたね。ここでのんびり過ごしてくださいませ。)

愛媛県の方言には、聞いただけでは意味が分からないユニークな表現や、柔らかくて可愛らしい響きがあり、どれも魅力的です。

愛媛を訪れる際には、少しだけ伊予弁を覚えて使ってみると、地元の人との会話がもっと楽しくなりますよ。

やわらかくて可愛らしい伊予弁に触れに、愛媛に行きたいんやけど、ええんかな?だいじないけん!
(柔らかくて可愛らしい伊予弁に触れに、愛媛に行きたいんだけど、いいかな?もちろん大丈夫だよ!)

タイトルとURLをコピーしました