アイスクリームは夏の定番ですが、冬でも食べたくなる魅力がありますね。老若男女に愛されるアイスクリームの起源はどこにあるのでしょうか?今回は、日本でのアイスクリームの歴史について詳しく見ていきます。
日本初のアイスクリームとの出会い
日本で初めてアイスクリームが食べられたのは江戸時代後期、1860年のことです。日米修好通商条約の一環で派遣された幕府の使節団が、アメリカ・ホワイトハウスで出されたアイスクリームに感動したという記録が残っています。
日本初のアイスクリーム店
この体験をきっかけに、使節団の一員だった町田房蔵が1869年に神奈川県横浜市の馬車道で、日本初のアイスクリーム店「氷水屋」をオープンしました。「氷水屋」では、氷水という馴染みのある菓子と共に、「あいすくりん」と名付けられたアイスクリームが提供されました。
驚きの初期価格
「あいすくりん」の主な材料は牛乳、卵黄、砂糖という基本的なものでしたが、価格が高すぎたため一般庶民には手が届かないものでした。当時の価格「2分」は、現在の金額で約8000円に相当し、大工の2日分の賃金にも匹敵するものでした。加えて、当時の冷蔵技術が未発達だったため、北海道から氷を輸送するコストも価格に影響を与えていました。
アイスクリーム文化の広がり
その後、1875年には東京で「開新堂」や「風月堂」が販売を開始し、1902年には銀座に「資生堂パーラー」が登場しました。「資生堂パーラー」では、アイスクリームとともに「クリームソーダ」の販売が話題を呼びますが、依然としてアイスクリームは贅沢品でした。
大衆化への道のり
大正時代になると、喫茶店やレストランで提供されるようになり、工業化も進展しました。大量生産が可能になるにつれ、徐々に一般家庭にも浸透していきます。1935年には雪印乳業がカップアイスの製造を開始し、1950年代にはコーンアイスやアイスクリームバーが登場しました。棒付きアイスのくじ引きで当たりを出すと、もう1本もらえる仕組みは子どもたちの間で大人気だったようです。
さらに、日本の高度経済成長期には冷蔵庫が普及し、家庭でもアイスクリームが気軽に楽しめるようになりました。
意外な消費地域
ところで、日本で最もアイスクリームを消費する地域をご存知ですか?暑い沖縄がトップと思われがちですが、実は石川県金沢市が1位だそうです。気温が22~23度のとき、アイスクリームの売れ行きが最も良いとされており、30度を超えるとカキ氷などの冷たい飲食物が選ばれる傾向があるようです。
こうして見てみると、日本のアイスクリームの歴史には多くの意外な側面が隠されていますね!