京都弁の魅力を一覧形式でご紹介します!
京都といえば舞妓さんというイメージが浮かびますよね。
舞妓さんのやわらかな話し方や、ゆったりしたテンポの京都弁には、多くの人が優しい印象を持つのではないでしょうか?
関西の中でも、大阪弁と似ていると言われることもある京都弁ですが、そのニュアンスには違いがあります。
大阪弁が力強い印象なのに対して、京都弁は穏やかで上品な響きが特徴です。
男性が京都弁を使っているのを聞くと、「カッコイイ!」と感じる方言ランキング上位に入るほどの人気も。
この記事では、思わず心がときめくようなフレーズも例文としてご紹介しています。
この記事で分かること
- 日常で使われる京都弁の意味と使い方
- 京都弁特有の語尾の特徴
50音順の早見表形式なので、気になる単語をすぐにチェックできます!
ぜひ、京都弁の魅力をたっぷりと味わってくださいね♪
京都方言早見表:あ行
京都弁 | 意味 |
---|---|
あやかまっさんどした | お騒がせしました |
いけず | いじわる |
おいでやす | いらっしゃい |
おおきに | ありがとう |
おばんどす | こんばんは |
あやかまっさんどした
「お騒がせしました」という意味の京都弁です。
友人や知り合いの家にお邪魔した際、帰るときに使われる表現です。
また、「およばれだちですいません」という表現は、ご飯をいただいてすぐ帰る際に使われます。
京都らしい丁寧な言葉遣いが、去り際にも表れていますね。
例文
今日はお邪魔しました。おおきに。あやかまっさんどした。
(今日はお邪魔しました。ありがとうございました。お騒がせしました。)
いけず
「いじわる」という意味ですが、単なる悪意ではなく、愛情や皮肉を含んだ使い方が多いのが特徴です。
遠回しな表現が多い京都弁らしさが感じられます。
例文
いつも私ばっかりに仕事を任せるなんて、部長はいけずですね。
(いつも私ばっかりに仕事を任せるなんて、部長は意地悪ですね。)
おいでやす
「いらっしゃい」という意味で、京都を訪れるとよく目にする言葉です。
「おいでやす~」という笑顔の一言に、京都の温かさが詰まっています。
例文
せっかく来られたんですから、どうぞごゆっくりおいでやす。
(せっかく来られたんですから、どうぞごゆっくりいらっしゃい。)
おおきに
関西全域で使われる「ありがとう」という意味の言葉です。
京都でも大阪でも感謝の気持ちを表す際によく使われます。
例文
昨日は傘を貸してくれておおきに。
(昨日は傘を貸してくれてありがとう。)
おばんどす
「こんばんは」という意味の京都弁で、夜の挨拶に使われます。
「晩になりました」というニュアンスが込められています。
例文
おばんどす。今日は月がとてもきれいですね。
(こんばんは。今日は月がとてもきれいですね。)
京都弁早見表:か行
京都弁 | 意味 |
---|---|
かんにん | 許して |
きばる | がんばる |
ぎょーさん | たくさん |
こーとな | 上品で控えめな |
こないだうち | このあいだ |
かんにん
「許して」という意味の京都弁。
「かんにんえ」と語尾に「え」を付けると「ごめんなさい」「許してね」という柔らかいニュアンスになります。
大阪弁では「かんにんな~」と使うことが多いです。
例文
次から絶対にしないから、かんにんえ。
(次から絶対にしないから、許してね。)
きばる
「がんばる」を意味する言葉で、広い地域で使用されています。
京都では「おきばりやす」と優しい響きで表現されるのが特徴です。
例文
今日が終われば休みだよ!おきばりやす!
(今日が終われば休みだよ!がんばって!)
ぎょーさん
「たくさん」という意味で、関西圏でよく使われる言葉。
地方によっては「ようさん」とも言われます。
例文
唐揚げなら、ぎょーさんあっても全然平気やわ。
(唐揚げなら、たくさんあっても全然平気だわ。)
こーとな
「上品で控えめ」という意味の京都弁。
「はんなり」に似た言葉ですが、さらに地味で落ち着いた上品さを表します。
例文
ショーウィンドウの着物、ほんまにこーとなで素敵やった。
(ショーウィンドウの着物、本当に上品で素敵だった。)
こないだうち
「このあいだ」を意味する京都弁。
短くシンプルな表現で、日常会話でよく使われます。
例文
こないだうち、お父さんが風邪引いて全然治らんのよ。
(このあいだ、お父さんが風邪を引いて全然治らないのよ。)
京都弁早見表:さ行
京都弁 | 意味 |
---|---|
さかい | ~だから |
しんどい | 疲れる・つらい |
しんきくさい | もどかしい・じれったい |
さかい
京都でよく耳にする言葉で、「~だから」という意味の接続詞です。
語尾に「に」を付けて「さかいに」とすることもあります。
また、「~し」という表現も似たニュアンスで使われ、「~ので」といった意味合いになります。
例文
午後から雨がたくさん降るさかい、早めに帰りやす。
(午後から雨がたくさん降るから、早めに帰りましょう。)
しんどい
「疲れる」「つらい」を意味する言葉で、関西では広く知られています。
体調が悪いときや、精神的にしんどいときにも使われます。
最近では他の地域でも通じるようになりましたが、以前は関東でこの表現が理解されないこともあったようです。
例文
今日は疲れたし、もうしんどいから早めに帰るわ。
(今日は疲れたし、もうつらいから早めに帰るわ。)
しんきくさい
「もどかしい」「じれったい」という意味を持つ京都弁です。
特に、物事が思い通りに進まずイライラする状況でよく使われます。
例文
早く仕事を終わらせたいのに、上司が何も指示を出さない。ほんましんきくさいわ!
(早く仕事を終わらせたいのに、上司が何も指示を出さない。本当にじれったいわ!)
京都弁早見表:た行
京都弁 | 意味 |
---|---|
たく | 煮る |
てんご | わるふざけ・いたずら |
たく
「煮る」を意味する京都特有の表現です。
西日本全般で使われる言葉で、料理の際に「野菜を炊く」などと言います。
「炊き合わせ」や「魚のあら炊き」といった料理名にも通じる表現です。
例文
たくさん野菜をたいたから、持っていきなさい。
(たくさん野菜を煮たから、持っていきなさい。)
てんご
「わるふざけ」や「いたずら」を指す京都弁です。
主に子供の行動をたしなめるときに使われます。
例文
人が迷惑するような、ひどいてんごはしたらあかんで。
(人が迷惑するような、ひどいわるふざけはしたらダメだよ。)
京都弁早見表:な行
京都弁 | 意味 |
---|---|
なおす | しまう・片づける |
なむなむ | まずまず・まあまあ |
なんぎ | 困る・面倒 |
のく | どく・よける |
なおす
一般的には「壊れたものを直す」や「病気を治す」といった意味で使われますが、京都では「片づける」「しまう」というニュアンスになります。
「元の場所に戻す」といった感覚が近いです。
例文
お客さんが来るから、早くおもちゃをなおしておいて!
(お客さんが来るから、早くおもちゃを片づけておいて!)
なむなむ
「まあまあ」や「まずまず」といった意味を持つ京都弁です。
調子が万全ではないけれど、なんとかやり過ごしているといったニュアンスが含まれます。
特に年配の方がよく使う表現です。
例文
足が痛いから、ゆっくり歩きながらなむなむやってます。
(足が痛いから、ゆっくり歩きながらなんとか過ごしています。)
なんぎ
「困る」や「面倒」といった意味の言葉。
漢字では「難儀」と表記し、厄介な状況や物事を指します。
同じ言葉でも、沖縄では「疲れた」という意味になることもあります。
例文
無理ばっかり言うから、ほんとになんぎな子やわ。
(無理ばっかり言うから、本当に困った子だわ。)
のく
「どく」や「その場から離れる」という意味で使われます。
人だけでなく物に対しても使用され、片づけや整理をお願いするときに便利な表現です。
例文
転んだら危ないから、そこの本のけといてくれる?
(転んだら危ないから、そこの本どけておいてくれる?)
京都弁早見表:は行
京都弁 | 意味 |
---|---|
はんなり | 明るく上品な |
ぶっちゃけたはなし | 本音・打ち明け話 |
べべたこ | 最下位 |
ほかす | 捨てる |
はんなり
京都弁で有名なほめ言葉のひとつです。
「華やかで上品」というニュアンスがあり、舞妓さんのような優雅で穏やかなイメージを連想させます。
「はんなり」という言葉は京都らしさを象徴する存在ですね。
例文
あそこのお嬢さん、はんなりとして本当に素敵やわ。
(あそこのお嬢さん、明るくて上品で本当に素敵だわ。)
ぶっちゃけたはなし
「本当のところ」や「打ち明け話」という意味の京都弁です。
隠していた気持ちや秘密を正直に話す場面で使われます。
例文
ぶっちゃけたはなし、実はずっと好きやったんや。
(本当のところ、実はずっと好きだったんだ。)
べべたこ
「最下位」や「びり」を意味する京都弁。
関西では「べべ」や「どべ」がよく使われ、東日本で言う「びり」と同じ意味を持ちます。
例文
かけっこ、完全にべべたこやったな。
(かけっこ、完全に最下位だったね。)
ほかす
「捨てる」を意味する表現で、関西や広島でも一部使われています。
日常の片づけや不要品処分の際によく用いられます。
例文
もういらんから、それほかしといてくれる?
(もういらないから、それ捨てておいてくれる?)
京都弁早見表:ま行
京都弁 | 意味 |
---|---|
まったり | 柔らかくて穏やか |
もみない | 味がない・美味しくない |
まったり
現代では「のんびり」「リラックスした」という意味で全国的に使われていますが、元は京都弁です。
特に食べ物について、味に深みがありコクがある美味しさを表す表現として用いられます。
例文
このチーズ、まったりとした味でほんまに美味しいわ。
(このチーズ、柔らかくてコクのある味で本当に美味しいわ。)
もみない
「味が薄い」「美味しくない」という意味を持つ言葉です。
ただし、贈り物をするときに「ささやかなものですが」といった謙虚な意味合いで使われることもあります。
例文
もみないもので恐縮ですが、どうぞお受け取りください。
(ささやかなものですが、どうぞお受け取りください。)
京都弁早見表:や行
京都弁 | 意味 |
---|---|
やにこい | 壊れやすい・ひ弱 |
ややこしい | 難しい・複雑な |
よろしおあがりやす | どうぞお召し上がりください・お粗末でした |
やにこい
「壊れやすい」や「ひ弱」といった意味で使われる京都弁です。
物について話すときには「壊れやすい」、人に使うと「体が弱い」などのニュアンスになります。
例文
あんたはやにこい体しとるから、冷たいもの飲みすぎたらあかんよ。
(あなたは体が弱いから、冷たいものを飲みすぎたらいけないよ。)
ややこしい
「複雑」や「わかりにくい」という意味で使われる表現です。
京都弁ですが、現在では全国的に使われるようになりました。
例文
京都の路地はややこしすぎて、初めて来た人はすぐ迷うわ。
(京都の路地は複雑すぎて、初めて来た人はすぐ迷うわ。)
よろしおあがりやす
食事の際に使われる言葉で、「どうぞお召し上がりください」と「お粗末さまでした」という二つの意味を持つ表現です。
食事を通じて、京都らしい丁寧な気配りを感じられる一言です。
例文
お料理が揃いましたので、どうぞごゆっくりよろしおあがりやす~。
(お料理が揃いましたので、どうぞごゆっくりお召し上がりください。)
京都弁早見表:わ行
京都弁 | 意味 |
---|---|
わや | 台無し・無茶 |
わらける | 思わず笑ってしまう |
わや
「台無し」や「無茶」を意味する京都弁。
他の地域では少し異なるニュアンスで使われることもありますが、京都では「めちゃくちゃ」や「乱暴される」といった状況を表す場合が多いです。
例文
あの人に近づくとわやにされるから、別の道を通りなさい。
(あの人に近づくと無茶なことをされるから、別の道を通りなさい。)
わらける
「つい笑ってしまう」という意味の京都弁で、可愛らしい響きが特徴です。
「笑い転げる」というニュアンスも含まれることがあります。
例文
あの芸人さんの漫才、ほんまにおもろおてわらけるわ~。
(あの芸人さんの漫才、本当に面白くてつい笑ってしまうわ~。)
京都弁の特徴的な語尾まとめ
京都弁語尾 | 意味 |
---|---|
~ん・~へん | ~しない(否定) |
~ひょ | ~しょう(誘い) |
~おす | ~ございます(敬語) |
~とーみ | ~してごらん(指示) |
~しはる | ~される(敬語) |
~ん・~へん
「~しない」という否定を表す語尾。
大阪弁でも使われますが、京都では「書かへん」のように直接語尾に「~へん」をつけます。
一方、大阪弁では「書かれへん」のように変化させてから付けるのが一般的です。
例文
いつまで待っても来やへんから、先に行きまひょ。
(いつまで待っても来ないから、先に行きましょう。)
~ひょ
「~しょう」という誘いのニュアンスを持つ語尾で、柔らかく可愛らしい印象を与えます。
特にカジュアルな会話の中でよく使われます。
例文
今日の花火大会、一緒に行きまひょ。
(今日の花火大会、一緒に行きましょう。)
~おす
「~ございます」にあたる丁寧な表現。
「あります」を意味する際は「おす」のみで使い、「ありません」の場合は「お」に「~へん」を付けて「おへん」となります。
例文
そんなことおへん。けど、ほんまに嬉しおす。
(そんなことありません。でも、本当に嬉しいです。)
~とーみ
「~してみて」という指示を表す語尾。
大阪弁の「~み」や「みなはれ」に近いですが、京都では「~みぃ」と「~とーみ」が使い分けられることがあります。
例文
あの山の夜景はものすごく綺麗やから、しっかり見とーみ。
(あの山の夜景はとても綺麗だから、しっかり見てみて。)
~しはる
「~される」という意味を持つ敬語表現。
京都では人だけでなく動物や物にも使うことがあり、親しみを込めた言い回しとして使われます。
よりフォーマルな敬語として「お~やす」もありますが、「~しはる」は少し砕けた印象です。
例文
先生が出張に行かはるさかい、今日は自習らしいわ。
(先生が出張に行かれるから、今日は自習らしいよ。)