【鳥取県方言ガイド】地域ごとの特徴と日常会話での使い方を徹底紹介!

方言

鳥取県独自の言葉や文化を、地域別に整理してご紹介します!

鳥取県の方言は、大きく3つのエリアに分かれています。

  • 東部エリア(鳥取市周辺):鳥取弁「因州方言」
  • 中部エリア(倉吉市周辺):倉吉弁「東伯耆(ほうき)方言」
  • 西部エリア(米子市周辺):米子弁「雲伯(うんぱく)方言」

この中で最も標準語に近いとされるのが鳥取弁で、岡山県や兵庫県の影響を受けています。一方で、西部の米子弁は島根県の出雲弁に影響されているのが特徴です。

また、全体的に語尾に「だ」が付くことが共通していますが、地域ごとに表現が異なります。たとえば、鳥取弁では「~だけぇ」、倉吉弁では「~だで」「~だや」、米子弁では「~だら」といった使い分けがあります。この微妙な違いが面白いですね。

さらに、「だに」という語尾がかわいらしい印象を与える一方で、「せえや」という表現が少し強く聞こえることもあるなど、鳥取県の方言はさまざまなイメージを持たれています。

この記事では、鳥取県の方言を例文付きで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください!

この記事でわかること

  • 鳥取県の代表的な方言の使い方や意味
  • 各地域の特徴的な語尾表現

また、50音順で方言を整理しているので、気になる言葉をピックアップして確認することも可能です!

鳥取県の方言:あ行の言葉とその意味

鳥取県特有の言葉とその使い方

方言 意味
いぬる 帰る
うちげ 私の家
えーたいこーたい いつも
えっと たくさん
えらがる 苦しがる

いぬる

「帰る」を意味する鳥取の方言で、中国地方全域や三重県でも同様に使われる表現です。
語源は「往ぬる・去ぬる」という漢字で、「行ってしまう」や「過ぎ去る」といった意味が元になっています。そこから派生し、「もといた場所へ戻る」というニュアンスを持つようになりました。

例文
もうこんな時間だで、そろそろいぬることにするわ。
(もうこんな時間だから、そろそろ帰ることにします。)

うちげ

「私の家」という意味を表す鳥取弁です。「うち」は鳥取では「私」を指しますが、自分の家を表すときは「うちげ」と表現します。他にも「うら」や「うっちゃ」が「私」を意味する場合があります。

例文
今日はうちげに来るって約束だっただろ?
(今日は私の家に来るって約束だったよね?)

えーたいこーたい

「いつも」という意味を持つ表現で、長い時間を意味する「永代」という漢字が由来とされています。また、同じ意味で「だったも」という言葉も使われます。

例文
あの子はえーたいこーたい学年トップの成績なんだわ。
(あの子はいつも学年トップの成績なんです。)

えっと

会話中の「えっと」ではなく、中国地方では「たくさん」を意味する言葉として使われます。同じ意味を持つ表現に「じゃんこと」もあります。

例文
そんなにえっともらってもいいんか?
(そんなにたくさんもらってもいいんですか?)

えらがる

「苦しがる」という意味を持つ言葉です。「えらい」が「疲れる」や「大変」という意味で使われる地域もあり、その派生として「えらがる」が「苦しがる」を表現します。

例文
えらがる前に、早く病院の準備をせい!
(苦しがる前に、早く病院に行く準備をしなさい。)

鳥取県の方言:か行の言葉とその意味

鳥取県特有のか行の方言とその使い方

方言 意味
かいさま 裏返し
かやる 倒れる・傾く
きょてー 怖い
けっぱなずく つまずく・失敗する
ごーがわく 怒る

かいさま

「裏返し」や「逆さま」を意味する言葉で、愛媛や高知など他の地域でも見られる表現です。また、何かが逆さになった様子を「かいさまりぃ」と言うこともあります。「裏返し」から転じて「転倒」を意味する場合もあります。

例文
朝からシャツがかいさまだったけど、全然気づかんかったわ。
(朝からシャツが裏返しだったけど、全然気づかなかったよ。)

かやる

「倒れる」を意味する言葉で、標準語の「ひっくりかえる」の「かえる」がなまった形とされています。全国各地で類似の言葉が使われていますが、標準語を話す地域では馴染みが薄い場合もあります。

例文
そんなに積んだら、かやれるがな!
(そんなに積み上げたら、倒れちゃうよ!)

きょてー

「怖い」という意味の鳥取弁で、「きょーてー」や「おぞい」とも言われます。古語の「けうとし(気疎し)」が語源とされ、人の気配がなく不気味な様子を表します。

例文
あんなきょてー場所、もう二度と行かんわ。
(あんな怖い場所には、もう二度と行かないよ。)

けっぱなずく

「つまずく」や「失敗する」を表す方言です。「蹴る」と「鼻突き」が組み合わさり、何かにぶつかって転ぶ様子を意味します。

例文
あんたはけっぱなずくけん、気を付けなさいよ。
(あなたはよくつまずくから、気を付けてね。)

ごーがわく

「怒る」を意味する鳥取弁で、特に強い怒りを表現します。「業を煮やす」と似たニュアンスを持ち、「感情を抑えられない」状態を指します。

例文
あの時ごーがわきすぎて、ほんまに怒鳴りそうになったわ。
(あの時は怒りすぎて、ほんとに怒鳴りそうになったよ。)

鳥取県の方言:さ行の言葉とその意味

鳥取県特有のさ行の方言とその使い方

方言 意味
しぇたもんだ 信じられない
しらしらする ムカムカする
すてんぽてん だらしない
そげーな そんな・そのような

しぇたもんだ

「信じられない」という意味の鳥取弁で、島根県でもよく使われています。この言葉は驚きや理解できない状況を表すだけでなく、「とんでもない」というニュアンスでも使われます。発音の特徴として、鳥取や島根では「さ行」が「しゃしぃしゅしぇしょ」に聞こえることが多いため、「しぇたもんだ」と発音されるのが一般的です。

例文
こんな寒い日にTシャツ1枚なんて、しぇたもんだ!
(こんな寒い日にTシャツ1枚なんて、信じられない!)

しらしらする

「しらを切る」や「知らないふりをする」とは違い、鳥取では「ムカムカする」という意味で使われます。感情的にイライラしたり、胃がむかつくときにも使われる表現です。

例文
イライラすることが積もり積もって、もうしらしらするがな。
(イライラすることが積み重なって、もうムカムカしてるよ。)

すてんぽてん

鳥取では「だらしがない」という意味を持つ独特の方言です。この表現は他県ではあまり使われていないため、鳥取特有の言葉と言えるでしょう。語源は不明ですが、響きから「だらしない」印象を受ける言葉として使われているようです。

例文
あの人、ほんまにすてんぽてんで、忘れ物ばっかりするんよ。
(あの人、ほんとにだらしなくて、忘れ物ばっかりするんだよ。)

そげーな

「そんな」や「そのような」を意味する方言です。「それ」が「そげ」、「これ」が「こげ」、「あれ」が「あげ」、「どれ」が「どげ」と変化するため、「そげーな」は「そんな」の意味で使われます。また、「そんなに」は「そげーに」や「さーに」とも表現されます。

例文
そげーなこと言われたら、もう誰も協力せんだらー。
(そんなことを言われたら、もう誰も協力しないよ。)

鳥取県の方言:た行の言葉とその意味

鳥取県特有のた行の方言とその使い方

方言 意味
たばこ 一休み
だらず 馬鹿・愚か
ちいとわて 少しずつ
どがでも どうしても
とっぱーけ 嘘つき
ちんちん 親しい仲・親友

たばこ

「一休み」を意味する鳥取の方言で、喫煙とは関係ありません。作業の合間にちょっと休憩するニュアンスで使われます。

例文
引っ越し作業がひと段落したけん、ちぃとたばこしょっか。
(引っ越し作業がひと段落したから、ちょっと休憩しよう。)

だらず

「馬鹿」や「愚か者」を意味する言葉です。島根や北陸地方でも使われ、もとは「足りない」という意味から派生したと考えられます。

例文
大会の前日に転ぶなんて、ほんとだらずじゃが!
(大会の前日に転ぶなんて、本当に馬鹿だよね!)

ちいとわて

「少しずつ」を表す鳥取の方言です。「ちいと」が「少し」、「わて」が「ずつ」の意味を持っています。

例文
ちいとわて頑張って勉強したけん、次の試験は期待しとるわ。
(少しずつ頑張って勉強したから、次の試験は期待してるよ。)

どがでも

「どうしても」を表す表現で、強い願望や決意を込めたときに使われます。「どが」は「どう」を意味します。

例文
推しのライブには、どがでも行かんと気が済まんがな!
(推しのライブには、どうしても行かないと気が済まない!)

とっぱーけ

「嘘つき」という意味で使われる言葉です。「とっぱー」という言葉に「とんでもない」というニュアンスがあり、そこから「嘘をつく人」を指すようになったとされています。

例文
なんであの子、とっぱーけって言われとるんだろう?
(なんであの子、嘘つきって言われてるんだろう?)

ちんちん

鳥取では「親しい仲間」や「親友」を表す言葉として使われます。四国や滋賀県でも同じ意味で使われることがあります。

例文
あいつとは幼いころからのちんちんだで、なんでも話せるんよ。
(あいつとは幼いころからの親友で、なんでも話せるんだよ。)

鳥取県の方言:な行の言葉とその意味

鳥取県特有のな行の方言とその使い方

方言 意味
なんだいや どうしたの
なんぞーかんぞー あれやこれや・いろいろ

なんだいや

「どうしたの?」を意味する鳥取の方言で、直感的に意味をイメージしやすい言葉です。何が起きたのか相手に尋ねるときに使われます。

例文
そげなに急いで走って、なんだいや?
(そんなに急いで走って、どうしたの?)

なんぞーかんぞー

「あれやこれや」や「いろいろ」という意味で使われる言葉です。「なんやかんや」に似たニュアンスを持っていますが、「なんぞかんぞ」と発音される場合もあります。この表現は鳥取独特のものと言えます。

例文
なんぞーかんぞー引っ張り出したけど、まったく見つからんがな。
(あれやこれや引っ張り出したけど、全然見つからないよ。)

鳥取県の方言:は行の言葉とその意味

鳥取県特有のは行の方言とその使い方

方言 意味
ばんじまして こんばんは
ほおたかばち ビンタ

ばんじまして

鳥取の方言で「こんばんは」を意味します。「ばんなりまして」とも言い、「晩になりました」という言葉が由来です。夕方のあいさつとして親しまれており、覚えやすく使いやすい表現です。ちなみに「おはよう」は「おはようござんす」や「はえのー」と言います。

例文
ばんじまして。今日は星がよう見えますなー。
(こんばんは。今日は星がよく見えますね。)

ほおたかばち

「ビンタ」や「頬を叩くこと」を指す鳥取の方言です。他県でも似た言葉が見られ、香川県では「ほおたかばち」が「頬」を指し、山口県では「かばち」が使われます。「かばち」は古語に由来しており、「頬」という意味で使われていた歴史があるのが興味深いポイントです。

例文
あまりに腹が立ったけん、ほおたかばちくらわしたくなるわ!
(あまりに腹が立ったから、ビンタしたくなるよ!)

鳥取県の方言:や・わ行の言葉とその意味

鳥取県特有のや・わ行の方言とその使い方

方言 意味
ようこそなぁ ありがとう
わったいな 驚いた

ようこそなぁ

「ありがとう」を意味する鳥取の方言で、特に「よく来てくれた」という歓迎の気持ちも込められています。「わりかったのー」や「だんだん」も感謝を表す言葉として使われますが、「ようこそなぁ」は特別なお礼や歓迎の場面でよく使われます。

例文
ようこそなぁ。あなたが来てくれて、ほんとに嬉しかったわ。
(ありがとう。あなたが来てくれて本当に嬉しかったです。)

わったいな

「驚いた」や「すごい!」を表す鳥取の方言で、感動や驚嘆の気持ちを強調するときに使います。日常会話でよく耳にする言葉で、観光地のお土産処などにも名前として使われていることがあります。

例文
全問正解なんて、ほんまにわったいなだが!
(全問正解なんて、本当にすごいね!)

鳥取県の方言:特徴的な語尾の一覧

鳥取県特有の語尾とその使い方

方言語尾 意味
~け・~けー ~だから
~しんさる ~なさる(尊敬語)
~せいや ~しなさい
~だにい ~なんだよ
~だがん ~じゃない?

~け・~けー

「~だから」という理由を表す語尾です。「~だけぇ」とも言われ、話の接続詞や文章の締めくくりに使われます。

例文
水木しげるロードに行きたいのは、ゲゲゲの鬼太郎が好きだけー。
(水木しげるロードに行きたいのは、ゲゲゲの鬼太郎が好きだから。)

~しんさる

「~なさる」という尊敬語を表す語尾で、中部や西部では「しなはる」や「しなる」とも言います。

例文
先生が鳥取砂丘の行き方を丁寧に教えしんさる。
(先生が鳥取砂丘の行き方を丁寧に教えてくださる。)

~せいや

「~しなさい」という意味を持つ語尾で、少し強い命令のニュアンスを含みます。命令口調の方言として、鳥取の方言がキツイと感じられる理由のひとつでもあります。

例文
鳥取の名物を全部言えせいや!って無茶な質問じゃわ。
(鳥取の名物を全部言えって、無茶な質問だよ。)

~だにい

「~なんだよ」という意味を持つ鳥取の特徴的な語尾で、知名度が高い言葉です。「~だで」や「~だっちゃ」と似た意味で使われますが、「~だっちゃ」はやや強調のニュアンスがあります。

例文
鳥取に来たからには、どがでも食べたいのは松葉ガニだにい!
(鳥取に来たからには、どうしても食べたいのは松葉ガニなんだよ!)

~だがん

「~じゃない?」と相手に同意を求めるときに使われる表現です。

例文
鳥取の伝統的な食べ物って言えば、とうふちくわだがん?
(鳥取の伝統的な食べ物って言えば、とうふちくわじゃない?)

鳥取県方言の魅力

鳥取県の方言は、「だに」のような可愛らしい語尾から、「せいや」のように少し強めの命令調まで、多彩なニュアンスを持っています。そのユニークさは、訪れる人にとっても興味深いポイントとなるでしょう。

次のお休みには、わったいな鳥取県を訪れ、その独特な方言を体験してみてください。
次の休みには、なんぞーかんぞー楽しみな鳥取県にぜひお越しくださいね!

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