日本のカレーの起源と特徴とは?その歴史と進化に迫る

料理・食品

カレーライスは、現在では日本の家庭料理として定着し、広く親しまれています。一般的にはインド発祥と考えられがちですが、実はそのルーツは意外な国にあります。この記事では、日本のカレーの起源やその独自の進化について詳しく見ていきます。

日本のカレーとインドのカレーの違い

カレーと言えばインドが連想され、現地では多種多様なスパイスを使った「スパイス料理」として食されています。インドのカレーは、複数のスパイスを組み合わせ、具材と煮込んで作られる料理で、スープ状のものが多く、日本人がイメージするものとは異なります。

インドのカレーは、スパイスの組み合わせや具材によって、無数のバリエーションがあり、肉や魚介、野菜などが豊富に使われます。

日本とインドのカレーの違い

  • 日本のカレー:小麦粉でとろみを出し、ジャポニカ米にかけて食べるのが一般的
  • インドのカレー:サラサラとしたスープ状で、インディカ米やナンにつけて食べる

日本のカレーのルーツ:発祥はイギリスだった?

「カレー」の語源には諸説ありますが、インド南部の言葉で「ソース」や「汁」を意味する「kari」が訛ったとされています。17世紀、インドがイギリスの植民地だった時代に、イギリス人がインドの料理を持ち帰り、欧風にアレンジされた料理が「カレー」として定着しました。

18世紀後半には、スパイスの効いたソースで肉や野菜を煮込む煮込み料理へと変わり、肉の臭みを抑える効果もあったため、家庭料理としても受け入れられました。さらに、19世紀には、あらかじめスパイスをブレンドした「カレー粉」が商品化され、家庭でも手軽に作れるようになりました。

日本へのカレー伝来

日本にカレーが伝わったのは、安政6年(1859年)に横浜港が開港された頃だとされています。明治時代には、洋食の調理法として「カレー粉」と小麦粉でとろみをつけるレシピが紹介され、日本風のカレーが広がり始めました。

このようにして、イギリス経由で伝わったカレーは、日本で独自の進化を遂げ、国民食として定着しました。

「ライスカレー」と「カレーライス」の違いとは?

「ライスカレー」と「カレーライス」という2つの呼称がありますが、現在では「カレーライス」が一般的です。かつては「ライスカレー」が主流でしたが、昭和期の後半に「カレーライス」が主流になったと言われています。

定義については諸説ありますが、以下のような違いがあったようです。

  • ライスカレー:ご飯にカレーがかかっている状態で提供されるもの
  • カレーライス:ご飯とカレーが別の器に入れられた形で提供されるもの

昭和25年に固形のカレールウが登場し、家庭でも簡単に作れるようになりました。その後、経済成長に伴い、レトルトカレーなどの多様化も進み、本格的な料理としての地位を確立します。昭和39年(1964年)の東京オリンピックの頃に「ライスカレー」から「カレーライス」へと呼び方が定着したと言われています。

カレーに関する記念日:「カレーライスの日」と「横浜カレー記念日」

カレーライスの日

毎年1月22日が「カレーライスの日」として制定されています。平成28年に全日本カレー工業協同組合が、カレーが国民食としてさらに普及することを目指して制定したもので、健康的で豊かな生活を応援する目的もあります。

横浜カレー記念日

6月2日は「横浜カレー記念日」です。この日は、1859年に横浜港が開港し、その時にカレーが日本に伝わった日として記念されています。

カレー消費量日本一の都道府県は?

ちなみに、日本でカレーの消費量が最も多い都道府県は鳥取県です。鳥取県はらっきょうの生産地として知られており、カレーの付け合わせとして食べられることが多いことが消費量の多さに繋がっています。また、共働き家庭が多いため、手軽に作り置きできるカレーがよく選ばれることも理由の一つと言われています。

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