【香川県の方言を解説】讃岐弁の特徴や「やけん」の語尾に注目!

方言

香川県の魅力をたっぷりと感じられる、香川県の方言をご紹介します!

香川県で使われる方言は「讃岐弁」として知られ、大きく東讃、西讃、小豆島の3エリアに分けられます。「やけん」という語尾や、小さい「ゃ」「ゅ」「ょ」といった音を多用することで、柔らかく親しみやすい印象を与える一方で、西部では広島弁に似た少し強めの表現も見られます。

香川県といえば「讃岐うどん」が有名ですね。そのため「うどん県」と呼ばれることもあり、「うどんは別腹」「うどんにかきまぜ」といった表現も広く知られています。これは、昔から香川では、お祝いの席や祭りなどで手間のかかる料理が完成する前にうどんを食べていた習慣や、「田休み」や祭りのご馳走として「うどん」と「かきまぜ」が定番だったことに由来します。

ちなみに「かきまぜ」とは、酢飯に旬の野菜、かんぴょう、油揚げなどを混ぜ込み、瀬戸内産の小エビや穴子をトッピングした料理です。(ちらし寿司のような料理をイメージしてください)

また、朝昼晩の挨拶や感謝を伝える表現は標準語とほぼ同じですが、出会いの場面で「なにができよん?」や「なにしょん?」と声をかけるのは香川県らしい特徴の一つです。

この記事では、香川県でよく使われる方言を例文とともにわかりやすく紹介しています。香川県の言葉の魅力を発見してみませんか?

この記事でわかること:

  • よく使われる香川県の方言とその意味、使い方
  • 香川県の方言特有の語尾の特徴
  • 気になる単語を調べやすい50音順の一覧

香川県のユニークな方言をぜひ楽しんでください!

香川県の方言リスト:あ行

あ行の方言とその意味

方言 意味
うまげ 良い感じ
おきる 満腹になる
おとっちゃま 臆病者
おもっしょい 面白い
おらぶ 叫ぶ・怒鳴る
おる 居る

うまげ

一見「美味しそう」に思えますが、それを超えて「良い感じ」という幅広い意味で使われます。「上手い」の「うま」と「~らしい」の「げ」が組み合わさったと考えると覚えやすいです。

例文
うまげに仕上がっとるなぁ。
(とてもいい感じに仕上がってるね。)

おきる

「起きる」とは異なり、香川県では「満腹になる」という意味です。同じ意味で広島など中国地方でも使われます。

例文
食べ放題でたらふく食べたら、腹がおきて動けんかったわ。
(食べ放題でたくさん食べたら、満腹で動けなくなったよ。)

おとっちゃま

「お父様」のように思われがちですが、実は「臆病者」を指す言葉です。誤解されそうな面白い表現ですよね。

例文
うちの父ちゃんは、実はおとっちゃまや。
(うちの父は実は臆病者なんだ。)

おもっしょい

「面白い」を意味する香川の方言です。「楽しいこと」や「興味深いこと」を表すときに使われます。

例文
この前観た映画、めちゃくちゃおもっしょかったけん、もう一回観たいわ。
(この前観た映画、すごく面白かったから、また観たいよ。)

おらぶ

「大声で叫ぶ」という意味を持つ表現です。特に感情的な叫びをするニュアンスがあります。

例文
好きなドラマの再放送が決まって、山の上で喜びをおらんだ。
(好きなドラマの再放送が決まって、山の上で喜びの声をあげた。)

おる

「いる」を意味しますが、「折る」と誤解されやすいので注意が必要です。

例文
台風が来とるけん、今日は家におったんよ。
(台風が来ているから、今日は家にいました。)

香川県の方言リスト:か行

か行の方言とその意味

方言 意味
がいな 強い・きつい
けっこい 美しい・綺麗だ
ごじゃはげ めちゃくちゃ
こそばい くすぐったい

がいな

「力が強い」や「性格がきつい」といった意味で使われる方言です。また「がいに」という形で「とても」という強調表現としても活用されます。中国・四国地方全般で親しまれている言葉で、地域によっては違う意味を持つ面白い表現です。

例文
香川オリーブガイナーズはがいな選手を育てることで有名な球団やけん!
(香川オリーブガイナーズは強い選手を育てることで有名な球団だよ!)

けっこい

「きれい」や「美しい」という褒め言葉です。香川県をはじめ、愛知や静岡など一部地域でも似たような使い方をされる方言です。ぜひ覚えて使いたいですね。

例文
小豆島の風景はがいにけっこいけん、一度行ってみまい。
(小豆島の景色は本当に美しいから、一度行ってみて!)

ごじゃはげ

一見ネガティブな響きですが、実際には「めちゃくちゃ」「でたらめ」といったニュアンスを持っています。また、「ごじゃ」だけの場合は「冗談」という意味でも使われる、ユニークな表現です。

例文
知らんことを、ごじゃはげにしゃべらんといて!
(知らないことを、めちゃくちゃに話さないで!)

こそばい

「くすぐったい」という意味の方言です。西日本全般で似た表現が使われ、関西では「こしょばい」とも言います。「こそばす」になると「くすぐる」という意味になります。

例文
足がしびれてから、裏がこそばよーて歩かれんのよ。
(足がしびれて足の裏がくすぐったくて歩けないんだよ。)

香川県の方言リスト:さ行

さ行の方言とその意味

方言 意味
しゃんしゃん 早く
じょんならん どうにもならない
じゅじゅむ にじむ
ずぼ ずぶぬれ

しゃんしゃん

「早く」という意味の言葉で、誰かを急かす場面で使われます。「しゃんしゃんして!」というフレーズは可愛らしく、少し冗談めかして使いたくなる表現ですね。

例文
学校に間に合わんけん、しゃんしゃんせんと!
(学校に間に合わないから、早くしないと!)

じょんならん

「どうにもならない」という状況を表す香川県特有の言い回しです。物事や人が思い通りにいかないときにぴったりの表現です。

例文
あの子はじょんならん性格やけん、世話が焼けるわい。
(あの子はどうにもならない性格だから、世話が焼けるよ。)

じゅじゅむ

「にじむ」を表現した方言で、インクや絵の具がにじんだり、傷口から血がにじむときなどに使われます。素朴な響きで、日常会話に溶け込みやすい言葉ですね。

例文
ノートにインクがじゅじゅんで字が読めんようになった。
(ノートにインクがにじんで字が読めなくなっちゃった。)

ずぼ

「ずぶぬれ」を指す簡潔な表現で、濡れた状態を強調します。「ずぼっ」という音から連想されるので、状況がイメージしやすいですね。

例文
大雨の中で傘を忘れてしもうて、全身ずぼになったわ。
(大雨の中で傘を忘れてしまって、全身ずぶぬれになったよ。)

香川県の方言リスト:た行

た行の方言とその意味

方言 意味
たいぎ 面倒くさい
ちみきる つねる
ちょんまいさん 小さな子供・末っ子
どくれる ふてくされる

たいぎ

「面倒だ」という意味を持つ表現で、漢字では「大儀」と書きます。香川県以外にも広島や北海道で同じ意味で使われています。「やぎろしー」という似た方言もありますが、こちらは「うっとうしい」「ややこしい」といったニュアンスも含みます。

例文
夏休みが終わってだらけとったけん、学校行くんがたいぎじゃわい。
(夏休み中ずっとだらけていたから、学校に行くのが面倒くさいよ。)

ちみきる

「つねる」という意味の方言で、他県の人には少し分かりにくい言葉です。「摘み切る」から派生した言葉で、つまんで引っ張る動作を思い浮かべると覚えやすいかもしれません。

例文
耳たぶはちみきってもあんまり痛うないんよ。
(耳たぶはつねってもあまり痛くないんだよ。)

ちょんまいさん

「小さな子供」や「末っ子」を指すかわいらしい言葉です。四国の他地域でも「ちょんまい」が「小さい」を意味するため、これに「さん」をつけて親しみを込めた表現になったと考えられます。

例文
ちょんまいさんよ~、暗なるけん家に帰らんといかんよ。
(小さい子供たち~、暗くなるから家に帰らないといけないよ。)

どくれる

「ふてくされる」や「拗ねる」といった意味の方言です。「どく」という言葉から連想して少し怖そうに聞こえるかもしれませんが、実際は可愛らしく拗ねる様子を表しています。広島では「はぶてる」という似た言葉が使われます。

例文
階段登りきれんかったけんって、どくれんと楽しんだらええやん!
(階段を登りきれなかったからって、拗ねないで楽しめばいいじゃん!)

香川県の方言リスト:は行

は行の方言と意味

方言 意味
はがい 腹が立つ・むかつく
はじかい イガイガする・チクチクする
へらこい ずるい
ほんだらな じゃあね・またね

はがい

「むかつく」や「イライラする」というニュアンスの言葉で、「はがゆい」に近い意味です。ただし香川県では、怒りや不満を表す場面で使うことが一般的です。他県でも似た意味で使われる地域がありますが、微妙なニュアンスの違いが面白いところですね。

例文
今から宿題しよう思うとったのに、お母さんに怒られて、はがい気分やわ。
(これから宿題をやろうと思っていたのに、お母さんに怒られてむかつくよ。)

はじかい

「チクチクする」や「喉がイガイガする」という状態を指す方言です。タグが肌に当たる感覚や、風邪の初期症状を表すときなどに使えます。

例文
喉がはじかいと、熱が出そうで心配になるわい。
(喉がイガイガすると、熱が出そうで心配になるよ。)

へらこい

「ずるい」や「狡猾だ」という意味を持つ言葉です。他県では「人懐っこい」と好意的に使われる場合もあり、地域によって意味が大きく異なるのが特徴的です。

例文
宿題出してないのに許されたなんて、へらこい話やな!
(宿題を出してないのに許されたなんて、ずるい話だよ!)

ほんだらな

別れ際の挨拶として使う言葉で、「じゃあね」や「またね」に当たります。関西の「ほいなら」に似ており、親しみを感じる表現です。

例文
ほんだらな、元気で過ごしとってや。
(じゃあね、元気で過ごしてね。)

香川県の方言リスト:ま行

ま行の方言と意味

方言 意味
まける あふれてこぼれる
まんでがん 全部
むつごい 味が濃い・しつこい

まける

液体があふれてこぼれることを表す言葉で、日常的な場面で使われます。「水が戦って負けたの?」と勘違いしそうな響きがユニークですね。

例文
コップにいっぱい注いだら、まけてテーブルが濡れたわ。
(コップにたくさん注ぎすぎて、あふれてテーブルが濡れちゃったよ。)

まんでがん

「まんで」が「全部」という意味で、「まんでがん」となるとさらに強調された「全て」というニュアンスになります。

例文
宿題をまんでがん終わらせたけん、遊ぶ時間がたっぷりある!
(宿題を全部終わらせたから、遊ぶ時間がたっぷりある!)

むつごい

味が濃い、脂っこい、甘すぎるといった「しつこい」味を表します。また、性格がしつこい場合にも使える、汎用性の高い言葉です。

例文
讃岐うどんはむつごうなくて、毎日でも食べられる美味しさや。
(讃岐うどんはしつこくなくて、毎日でも食べられる美味しさだよ。)

香川県の方言リスト:や行

や行の方言とその意味

方言 意味
~やけん ~だから
よっけ たくさん

~やけん

「~だから」を表す語尾で、理由を説明する際に使われます。会話で非常に頻繁に登場するため、香川県の言葉として親しみやすい特徴的な表現です。さらに「~やかし」となると「~なんか」という意味で、控えめな表現として使用されます。

例文
うちやかし香川についてあんまり詳しゅうないけん、他の子に聞いた方がええんちゃう?
(私なんか香川についてあまり詳しくないから、他の子に聞いた方がいいんじゃない?)

よっけ

「たくさん」という意味で、「ようけ」とも言われます。中国地方でも似たような使い方が見られる、日常会話で馴染み深い言葉です。その響きが親しみやすく、可愛らしい表現です。

例文
台風の影響で思っとった以上によっけ雨が降っとるわい。
(台風の影響で思っていた以上にたくさん雨が降っているよ。)

香川県の方言:特徴的な語尾一覧

方言語尾とその意味

方言語尾 意味
~りょる ~している
~ょん ~してるの?
~ちゃん ~じゃない?

<~りょる

「~している」という進行形を表す語尾です。動詞の種類によっては「~とる」とも使われますが、香川特有の可愛らしい響きが特徴です。

例文
香川に行くために、今ちょうど瀬戸大橋渡っとりょるところや。
(香川に行くために、今ちょうど瀬戸大橋を渡っているところだよ。)

~ょん

「~してるの?」と相手の行動について尋ねるときに使います。軽い感じで質問したいときにぴったりの語尾で、会話を柔らかくします。

例文
香川まで来たのに、うどん食べんと帰るん?何しょん?
(香川まで来たのに、うどんを食べないで帰るの?何してるの?)

~ちゃん

「~じゃない?」と相手の同意を求める表現です。「~だよね?」という軽い確認や推測を表すときにも使えます。

例文
父母ヶ浜で夕陽の写真撮ったら、絶対インスタ映えするちゃん?
(父母ヶ浜で夕陽の写真を撮ったら、絶対インスタ映えするよね?)

香川県の方言をマスターして楽しもう!

四国・中国地方には似たような方言があるものの、香川県ならではの独特な表現が多く、とても興味深いですね。香川を訪れる際には、こうした語尾を少し覚えて使ってみると、地元の人との会話が弾むかもしれません!

うどんが美味しくて自然豊かな香川県、行ったら絶対楽しいちゃん?
(うどんが美味しくて自然豊かな香川県、行ったら絶対楽しいよね?)

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