【マヨネーズ】日本での始まりはいつ?そのルーツと歴史、海外との違い

料理・食品

マヨネーズといえば、日本の食卓に広く定着している調味料ですよね。サラダや和え物にはもちろん、パンに塗ってトーストにしたり、ご飯にかけたりとさまざまな使い方があります。

それでは、このマヨネーズは日本でいつから親しまれているのでしょうか?

今回は、日本におけるマヨネーズの起源や歴史、海外のものとの違いについて探っていきます。

マヨネーズの起源はどこ?

マヨネーズの発祥にはいくつかの説がありますが、有力なものとしては、地中海に浮かぶスペイン領のメノルカ島が挙げられています。18世紀半ば、この島がフランス軍の攻撃を受けていた際、リシュリュー公爵がマオンという港町の料理店で特製のソースを味わい、それをパリに持ち帰り「Mahonnaise(マオンネーズ)」と名付けて紹介しました。これが訛って「Mayonnaise」となったと伝えられています。

日本でのマヨネーズの歴史

1912年、大正時代にアメリカで缶詰の製造技術を学んでいた中島董一郎は、アメリカ人がサラダに使うマヨネーズに出会い、その美味しさと栄養価の高さに感銘を受けました。彼は、栄養不足解消や健康増進を目的に、日本人向けに卵黄を多く含むマヨネーズの開発に取り組むことを決意します。

帰国後、中島董一郎は1918年に中島商店を設立し、缶詰の販売を始めます。さらに1919年には、調味料を中心に扱う会社(現在のキユーピー株式会社)も設立しました。1925年、マヨネーズを発売しましたが、当時の日本にはまだ生野菜を食べる習慣が少なく、マヨネーズは高価だったため、最初の年はわずか600kgしか出荷されませんでした。しかし、缶詰にマヨネーズを添える試食会などの宣伝活動により、次第にその存在が広まり、1941年には年間出荷量が約500トンに達しました。

戦時中は製造が一時中止されましたが、戦後1948年に再開され、合理化により値段が下がると、売上が急増し、1950年代には他社からもマヨネーズが発売されるようになり、日本の食卓に欠かせない存在になりました。

「マヨネーズの日」3月1日の由来

「マヨネーズの日」は、キユーピー株式会社が2015年にマヨネーズを広めるために制定した記念日です。日本で初めてマヨネーズが発売されたのが1925年3月であったことから、3月と「日本で最初の」という意味の1をとり、3月1日が「マヨネーズの日」とされました。

「キューピー」と「キユーピー」の違い

実は「キユーピー株式会社」の正式な表記は「キューピー」ではなく、カタカナの「ユ」が大文字の「キユーピー」なのをご存知でしょうか?この表記の理由は、横書きにしたときのデザイン上の見栄えが関係しています。小文字だと「ユ」の部分だけが沈んで見えてしまうため、バランスをとるために大文字にしたといいます。表記は「キユーピー」ですが、発音は「キューピー」となっています。

商品名の由来:キューピー人形

「キユーピーマヨネーズ」という名前には、「キューピー人形のように、みんなに愛される商品でありたい」という願いが込められています。1909年、アメリカのイラストレーターであるローズ・オニールがキューピッドをモデルにデザインしたこの人形は、日本でマヨネーズが発売された当時、非常に人気があったそうです。キユーピー株式会社は1922年(大正11年)に「キユーピー」の商標を登録し、1965年(昭和40年)にはアメリカでも商標を取得しました。商標登録は著作権を持っていなくても可能であり、オニールの許可は得ていなかったものの問題は発生しなかったとされています。さらに、1998年にはオニール遺族財団から著作権侵害で訴えられましたが、オニールの死後50年以上が経過していたため、著作権は失効していたとされ、特に問題はありませんでした。

マヨネーズの星型ノズルの秘密

キユーピーマヨネーズのノズルが星型になっているのにも理由があります。最初は円形でしたが、さまざまな形のノズルを試した結果、サラダなどに美しくデコレーションできる星型が評判が良く、1972年(昭和47年)から星型のノズルが使われるようになりました。現在では星型と細口の2つの形を使い分けられる「ダブルキャップ」も採用されています。なお、キユーピーマヨネーズの星型は五角形、味の素のものは六角形と、メーカーによって形状が異なります。

海外と日本のマヨネーズの違い

日本に伝わったマヨネーズは独自の進化を遂げています。そのため、材料や味、容器においても海外のものとは異なります。

卵の違い

世界的には全卵(卵黄と卵白を両方使う)を使用するのが主流ですが、日本のマヨネーズは卵黄のみが用いられています。卵黄だけを使うことで、味に深みとクリーミーさが生まれるといいます。

酢の違い

日本では「米酢」を使用しますが、フランスではブドウ酢、アメリカでは野菜由来の酢を使うことが一般的です。そのため、海外のマヨネーズは酸味が強めですが、日本のものはまろやかな酸味が特徴です。

容器の違い

海外のマヨネーズはガラス瓶に入っていることが多く、スプーンで取り分ける形式が一般的です。対して日本のマヨネーズは、酸素を通しにくいポリエチレンボトルに入れられており、酸化を防ぎながら、長く新鮮さを保てる仕様となっています。使い勝手や衛生面でも優れており、日本製マヨネーズは海外でも高く評価されています。

マヨネーズの日の意味

一般的な市販のマヨネーズには殺菌や防腐の効果があり、腐りにくいといわれます。しかし、手作りのマヨネーズは保存が難しく、適切な環境で作らないと食中毒のリスクもあります。自家製マヨネーズを作る際は、できるだけ早く食べ切ることが推奨されています。

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