メロンパンの名前の起源は?なぜ「メロン」なのか?種類と歴史を探る

料理・食品

サクサクのクッキー生地が美味しいメロンパンは、子どもから大人まで愛される日本の定番菓子パンです。

しかし、実際にメロンが使われているわけでも、メロンの味がするわけでもないのに、なぜ「メロンパン」と呼ばれるのでしょうか?

今回はメロンパンの名前の由来や種類、そして歴史について、わかりやすく紹介します。

メロンパンとは?

メロンパンは日本で生まれた菓子パンで、ふんわりとしたパン生地の上に甘いクッキー生地やビスケット生地を重ねて焼き上げたパンです。

メロンパンの種類

メロンパンの形には大きく分けて次の二つがあります。

  • 丸型(円形)
  • 紡錘型(円柱形やラグビーボール型)

円形のメロンパンの歴史と名前の由来

メロンパンの原型は1930年代頃、広島県呉市にあった「金生堂」というパン屋が作った「サンライズ」とされています。この菓子パンは、外国のお菓子をヒントに開発されたものです。

現在のメロンパンの特徴である格子状の模様は、当初は放射状で、これは日本の軍艦旗に用いられていた模様を模していたといわれています。そのため、当時は「サンライズ」と名付けられていたのです。

しかし、格子模様のほうが作りやすいことから、次第に格子状のデザインが広まり、「メロンパン」として全国に浸透していきました。今でも西日本の一部地域では、円形のメロンパンを「サンライズ」と呼ぶこともあるそうです。

「メロンパン」の名前の由来にはいくつかの説があります。

  • 格子模様がマスクメロンの外見に似ていたため
  • 当時人気だった高級フルーツ「メロン」にあやかって名付けられた
  • メレンゲを使用していたことから「メレンゲパン」と呼ばれていたが、訛って「メロンパン」になった
  • クッキー生地の割れ目がマスクメロンの表面に似ていたため
  • 生地にメロン風味を加えたことが始まりという説

紡錘形メロンパンの由来と歴史

1960年頃、現在のコープこうべの前身である「神戸消費組合」のパン職人が、独特な紡錘形のメロンパンを考案したとされています。このパンは、ビスケット生地で覆うのではなく、紡錘形のパンの中にマーガリン入りの白あんを包み込んで焼き上げたものでした。

この独特の形状は、オムライスを作る際に用いる金属の型を使って成形され、出来上がったパンが、当時「メロン」として販売されていたマクワウリの形に似ていたことから「メロンパン」と呼ばれるようになったといわれています。

また、広島県呉市でも、同様にカスタードクリームを詰めた紡錘形のメロンパンが作られており、こちらもオムライス用の金属型「メロン型」が使用されていたため、この名称がつけられたと考えられています。

具体的な誕生時期は不明確ですが、昭和35年(1960年)頃、洋食店でこの型が頻繁に使われていたため、この時期に広まったのではと推測されています。

神戸地域では、円形のメロンパンを「サンライズ」、紡錘形のものを「メロンパン」と呼ぶ風習があります。また、広島県呉市では、円形のメロンパンを「コッペパン」、一般的な給食パンとされる平たい紡錘形のものを「給食パン」と呼ぶ地域もあるそうです。このように呼び名には地域差があり、少し複雑な面もありますが、メロンパンの個性が感じられますね。

今やメロンパンは、パン屋やスーパーに欠かせない定番商品であり、最近では移動販売の専門店や、メロンパンの「皮」だけを販売する商品も登場しています。日本の人々に愛され続けるメロンパンの進化はまだまだ続きそうです!

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