御城印とは何?御朱印との違いとおすすめの御城印帳の選び方

文化・行事

最近では、観光に出かける際の“記念コレクション”として注目されているものがあります。

それは「御城印(ごじょういん)」というものです。神社やお寺を巡ったときにいただく“御朱印”は、すでに広く知られた存在ですが、近年はそれに似た御城印もブームになっています。では、御城印とはいったいどのような趣旨のものなのでしょうか。

神社・仏閣の御朱印と同じ帳面にまとめてもいいのでしょうか。そして、専用の「御城印帳」はどこで手に入るのでしょうか。この記事では、御城印の基本的な情報や疑問点についてわかりやすくまとめています。

御城印とは何か?

読み方と概要

  • 読み方:ごじょういん
  • 概要:主にお城でいただける記念スタンプや印が押された和紙のこと。
    • お城に関連する家紋や名称が印刷または捺印されており、訪れた証として持ち帰れます。
    • いわば「登城記念証」のような位置づけで、大半は1枚300~500円程度で頒布されています。

御朱印と似たフォーマットながら、実はまったく別物として捉えられています。御朱印が「神仏との結縁」を表すものなのに対し、御城印は単なる訪問記念。そこに大きな違いがあるのです。

さまざまな呼び方

御城印には、実は複数の名称が存在しています。代表的なものには、以下のようなバリエーションがあります。

  1. 御城朱印(ごじょうしゅいん)
  2. 城郭符(じょうかくふ)
  3. 登閣記念印章(とうかくきねんいんしょう)
  4. 登閣記念証(とうかくきねんしょう)
  5. 登城記念御朱印(とじょうきねんごしゅいん)

どれも“お城に行った証し”を示すものですが、場所によって名称が異なるだけで、内容としては御城印に近い役割を果たします。多くの場合は「御城印」という名が広く使われているため、本記事でも「御城印」と呼んで解説していきます。

御城印が始まったきっかけ

最初に出されたのはどこ?

今や全国各地で目にする御城印ですが、その源流は平成2年(1990年)頃の長野県松本市にある松本城と言われています。松本城では「登閣記念証」としてスタートし、それが徐々に広がっていきました。

松本城の豆知識

  • 国宝に指定された5つの城(姫路城・彦根城・犬山城・松本城・松江城)のひとつ
  • 美しい黒塗りの天守が特徴で、多くの観光客が訪れる人気スポット

この取り組みをきっかけとして、「お城を訪れた証」をもらうという楽しみが生まれ、他の城でも類似の取り組みが普及していったのです。

御城印はどこで手に入れる?

主な入手場所

御城印は以下のような場所で配布・販売されています。お城巡りをする際はチェックしてみるとよいでしょう。

  • 城内や城郭内の資料館、おみやげコーナー
  • お城が現存しない場合、近隣の観光案内所や道の駅
  • 郵送対応してくれるお城も一部存在

それぞれの城によってルールが異なるため、正確な場所や受付時間を調べてから足を運ぶのがおすすめです。最近は公式サイトやSNSでリアルタイムの情報を発信するお城も増えているので、事前チェックがより簡単になりました。

御朱印と御城印は一緒にしてもいい?

結論:別々がベター

  • 御朱印:神社・仏閣を参拝し、神仏とのご縁をいただいた証し。
  • 御城印:お城や城跡を訪れた際の登城記念証。

両者は“記念の印”という点では似ているものの、根本的な意味が全く異なるため、一般的には別の帳面で管理するほうが望ましいとされています。

こんな声もある

  • 「御朱印と御城印を同じ帳面に貼っていたら、神社側が嫌がるかも……」
  • 「併用しても注意はされなかったけれど、神社によっては受け付けないところもあるらしい」

ただし、絶対的に分けなければいけないというわけではありません。あくまでマナーや慣習として、分けたほうがスムーズでトラブルが少ないという程度です。

御城印専用の「御城印帳」とは?

保管するための帳面

御城印を貼って保管するために作られたのが「御城印帳」です。御朱印帳とは別に準備している人も多く、最近ではさまざまなデザインや形状のものが登場しています。

御城印の2つの形式

  1. 直書き(じかがき)
    • 現地で直接御城印に文字を書いてもらうタイプ(数は少ない)
  2. 書き置き(かきおき)
    • あらかじめ印刷や捺印が施された紙を受け取るタイプ(大半はこちら)

多くのお城では書き置き対応なので、それに合った御城印帳を選ぶ人がほとんどです。

御城印帳のいろいろな形

御城印帳にはバラエティ豊かなスタイルがあります。代表的な4種類を挙げてみましょう。

  1. 蛇腹式 透明ポケット付き
    • 書き置きの御城印をスッと差し込める形状。
    • 1枚ずつの出し入れが簡単なので、コレクションしやすい。
  2. 蛇腹式 差し込みタイプ
    • 端に切り込みがあり、御城印を四隅に差し込む方式。
    • 記念の印が動きにくく、整理しやすいのが特徴。
  3. 蛇腹式 ポケットなし
    • 御朱印帳とほぼ同じ仕様。
    • 直書きでも書き置きでも使えるが、貼り付け作業が必要になる。
  4. ファイルタイプ
    • 透明ポケットを複数ページにわたって設置した冊子型。
    • ページをめくりながらコレクションを眺められるメリットがある。

御城印帳を入手する方法

購入できる主な場所

  • お城の売店や資料館
    • その城固有の家紋やモチーフが入ったオリジナルデザインが多い
  • 近隣のお土産屋さん
    • 城下町などで取り扱われている場合もある
  • オンラインショップ
    • シンプルなものから華やかな柄のものまで、幅広いラインナップが手軽に検索できる

近年は、お城の公式グッズとして御城印帳が販売されるケースが増えており、“推し城”の限定デザインを求めて購入する人もいます。

自作で楽しむ方法

実は、市販されているファイルやクリアブックを使えば、自分好みの「オリジナル御城印帳」を作ることも可能です。たとえば、

  • 100円ショップで売っているリングファイルやポケットファイル
  • 文具店や雑貨店で取り扱いのあるきれいなカバー付きのファイル

これらに御城印を収納すれば、気軽にカスタマイズを楽しめます。表紙に好きなステッカーを貼ったり、手描きのイラストを添えたりして、自分だけの“城旅記録帳”をつくってみるのも面白いでしょう。

まとめと楽しみ方

ブームをきっかけに始めよう

お城の人気が高まるにつれ、御城印のバリエーションも一段と豊富になり、多くの人が集め始めています。地域によっては季節限定のデザインや、特別行事と連動したレアな御城印が登場することもあり、コレクター心をくすぐる仕組みが広がっています。

  • 「期間限定」「イベント限定」の御城印
    • お祭りシーズンだけの特別バージョン
    • 城跡の発掘調査を記念したレア印
    • 観光キャンペーンとのコラボレーション

こんなふうに、すべて集めるのは至難の業。だからこそ、「行ける範囲で楽しむ」「気に入ったお城をリピート訪問する」など、それぞれのペースでコレクションを続けられる魅力があります。

御城印集めのすすめ

  1. 旅のモチベーションアップ
    • 御城印が欲しくて普段は行かないエリアへ旅することも
  2. 日本史や地域文化への理解が深まる
    • 城や城下町の歴史を学ぶきっかけにもなる
  3. 記念品としての満足感
    • 形に残るので、写真とは違う充実感がある

最後に、寒い時期にはカイロなどの防寒グッズを忘れず携帯しつつ、暖かくしてお城巡りを楽しみましょう。御城印は“コンプリートしなければいけない”ものではなく、“訪れた証”として気軽に集められる記念品。全国に数えきれないほどのお城があるので、自分だけの城めぐりルートを作りながら、ぜひコレクションを始めてみてくださいね。

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